SprayQuantAI®は、個々の液滴の時間分解光散乱シグネチャ全体に学習済みの機械学習モデルを適用することで、液滴径と液滴速度を求めます。当社の特許取得済みの手法では、同じ液滴からの4つの光散乱信号を用いて、モデル学習用の参照値を決定します。これらの値をその液滴の選択した1つの信号と組み合わせることで、モデルは信号波形と液滴特性との関係を学習します。学習と検証が完了すれば、測定した波形1つだけで液滴径と速度を予測できます。この手法とその科学的根拠は文献[1][2]に記載されています。
光散乱信号を用いたAIによる液滴測定
液滴が測定領域を通過すると、検出器は散乱光強度を時間の関数として記録します。
AIモデルには波形全体が入力されます。信号の高さ、信号幅、ピーク位置、さらに複雑な信号形状のすべてが予測に寄与し得ます。波形は、液滴、レーザービーム、光学系、検出器の相互作用を反映しています。そのため、単一のピーク値よりも多くの情報を含むことがあります。
AIによる液滴径と液滴速度の予測
AIによる計算の中核は、次のようにまとめられます。
ここで、dは予測された液滴径、vは予測された液滴速度です。モデルは1つの固定された信号値に頼るのではなく、波形全体にわたるパターンを学習します。これにより、測定された光学信号と液滴の物理的特性との間に、データに基づく関係が構築されます。

光散乱信号に液滴の情報が含まれる理由
液滴はレーザービーム中を移動する間に空間的な光場のさまざまな部分を通過し、時間分解光散乱信号を生じます。異なる散乱成分が異なるタイミングと強度で現れることがあり、その結果、液滴の物理的・光学的特性を反映した波形が形成されます。
液滴径、速度、軌道、光学特性のいずれもが、この光散乱シグネチャに影響を与えます。そのため、波形全体には単一のピーク高さや信号幅よりも多くの情報が含まれ得ます。AIベースの解析では、複数の特徴量とその相互関係をまとめて評価し、個々の液滴を特性評価します。
4つの光散乱信号によるAIモデルの学習
学習は、同じ液滴から記録された4つの光散乱信号から始まります[2]。システムはこれらの信号をまとめて評価し、液滴径や液滴速度などの参照値を決定します。
次に学習プロセスでは、参照値をその液滴の選択した1つの波形に結び付けます。選択した波形には、径と速度の参照ラベルが付与されます。この手順を多数の液滴について繰り返すことで、測定信号と対応する参照値からなるデータセットが作成されます。機械学習モデルはこのデータセットを用いて、1つの波形の構造が液滴径および液滴速度とどのように関係するかを学習します。


実測した光散乱信号による学習
特許取得済みの手法[2]では、AIの学習に実測した光散乱信号を使用します。これらの信号には、実際の光学セットアップ、液滴の通過経路、検出器、エレクトロニクス、機械的公差、スプレー条件による影響が含まれています。
完全な数学モデルを構築するには、レーザー、光学ジオメトリ、検出器、液滴の通過経路、材料特性に関する詳細な情報が必要です。これらの値の中には変化するものや、正確にはわからないものもあります。実信号で学習することで、モデルは実際の測定システムの挙動から学ぶことができます。
参考文献
[1] Schaefer, W., & Li, L. (2024). “Particle characterization by analyzing light scattering signals with a machine learning approach.” Applied Optics, 63(29), 7701–7707. https://doi.org/10.1364/AO.531346.
[2] Schäfer, W. “Method and device for characterizing particle properties by evaluating a scattered-light signal using a machine-learning model and reducing the primary apparatus.” ドイツ特許出願DE102023134228A1。出願人:ai-quanton GmbH。
